『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』は、2001年9月6日にバンダイからPlayStation 2向けに発売されたリアルタイム戦術シミュレーションゲームです。開発はベックが担当し、プレイヤーはジオン公国軍の特殊部隊「闇夜のフェンリル隊」の指揮官として、一年戦争の地上戦を戦い抜くことになります。
本作は、アニメ『機動戦士ガンダム』の地上戦をジオン側の視点から描いたオリジナルストーリーで構成されており、キャリフォルニアベース、オデッサ、ジャブロー、アフリカ戦線などを舞台に、全13のミッションが展開されます。プレイヤーは最大3チームのMS部隊を編成し、進軍ルートやフォーメーション、索敵センサーの切り替えなどをリアルタイムで操作しながら任務を遂行します。戦闘では、敵に発見されずに目標を達成するステルス性や、センサーの使い分け、僚機との連携が重要となり、Sランク評価を狙うには高度な戦術判断が求められます。
登場機体はザクI・II、グフ、ドムといったジオン系MSを中心に、連邦側のガンダム6号機マドロックやガンキャノン、ジムなども登場。特にマドロックは本作で初めてゲーム化された機体であり、ジャブロー地下での激戦を象徴する存在です。主人公部隊「闇夜のフェンリル隊」は、ゲラート・シュマイザー少佐を隊長とし、ル・ローア、ニッキ・ロベルト、シャルロッテ・ヘープナーら個性的な隊員たちが登場。彼らの人間関係や戦場での葛藤も、イベントシーンや無線通信を通じて描かれます。
ゲームの難易度は高めで、特に高評価を狙うプレイでは敵の配置やセンサー反応を把握した上での精密な行動が求められますが、その分、成功時の達成感は大きく、ジオン兵としての戦場体験を濃密に味わえる作品となっています。なお、2014年にはPS3用ソフト『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』にて、本作のリメイク版が収録されましたが、ジャンルはアクションに変更されています。
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