『競艇WARS マクル6』は、プロのボートレーサーとして過酷な勝負の世界を勝ち抜き、最高峰の「賞金王決定戦」制覇を目指す本格的な競艇シミュレーションです。2002年7月25日にエンターブレインからPlayStation用ソフトとして発売されました。
本作は『ダービースタリオン』シリーズで知られる薗部博之氏が監修、パリティビットが開発を手掛けています。プレイヤーは一人の新人レーサーとなり、デビューから引退までの現役生活を体験します。一般戦から始まり、成績を上げてB1、A2、A1と級別を昇格させ、最終的にSG(スペシャルグレード)競走の常連となって賞金王の座に輝くという、ストイックかつドラマチックな選手生活が描かれます。
ゲームの核となるのは、緻密なデータに基づいたシミュレーション要素です。モーターの整備はもちろん、競艇において勝敗を分ける「プロペラ(ペラ)の叩き」が詳細にシステム化されています。プロペラの形状を微調整することで、加速重視(出足)や最高速重視(伸び)といったマシンの特性を、各競艇場の水質や天候、自分の戦術に合わせて作り上げる職人のような楽しみが用意されています。
レースパートでは、競艇特有の「待機行動」や「フライングスタート」が忠実に再現されています。スタートラインを通過する際のコンマ数秒の駆け引きや、1マークでの「マクリ」「差し」といった旋回技術の応酬は、アクションゲームとしての緊張感を高めます。水面でボートが停止できないという制約や、他艇が作った引き波による失速など、物理的な挙動も計算されており、一瞬の判断ミスが転覆や失格に繋がるシビアな勝負が展開されます。
当時の現役レーサー1,400名以上を実名で収録しており、各選手の個性や得意な決まり手までもが反映されています。チュートリアル機能も充実しており、競艇のルールを全く知らない初心者から、マニアックな整備にこだわりたい熟練のファンまで、幅広い層が「水上の格闘技」の醍醐味を存分に味わえる一作に仕上げられています。
『競艇WARS マクル6』は、公営競技である「競艇(ボートレース)」を題材にしたオリジナル作品です。特定の漫画やアニメを原作とせず、実際のボートレースのルールや選手データを忠実にデジタル化しており、モータースポーツとしての競技性とギャンブルとしての戦略性が高度に融合しています。













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