『最強銀星将棋』は、世界コンピュータ将棋選手権でもトップクラスの実績を誇る思考エンジンを搭載した本格将棋ソフトです。2001年4月26日にアイマジックからPlayStationで発売され、2002年12月19日にESPからPlayStation 2で、さらに2004年5月27日にはマグノリアから『最強銀星将棋 4』が発売されるなど、複数の家庭用ハードで展開されました。

本作の核となるのは、北朝鮮の朝鮮コンピューターセンター(KCC)が開発した強力な思考ルーチンです。当時の家庭用将棋ソフトとしては破格の棋力を備えており、アマチュアの有段者層をなぎ倒すほどの実力は多くのユーザーを驚かせました。思考の速さと正確さを両立しており、プレイヤーのレベルに合わせた柔軟な対局設定が可能です。

特にPlayStation 2版の『4』では、180万手におよぶ膨大な定跡データベースを搭載しています。序盤の攻防から隙のない指し回しを実現しており、プロの対局で現れる主要な戦型をほぼ網羅。定跡から外れた際の対応も高度に計算されており、終盤まで一貫した強さを維持する設計となっています。

対局を支援する学習機能も大きな特徴です。対局中に「定跡表示機能」を使用することで、現在指されている手が定跡の範疇であるかを確認したり、次に指すべき候補手を複数の分岐から学んだりすることができます。これにより、単なる対戦相手としてだけでなく、定跡の研究や自身の打ち筋を見直すための「教材」としても高い実用性を備えています。

その後、WiiウェアやDSiウェアといったダウンロード専用ソフトとしてもリリースされ、ハードごとの特性に合わせたインターフェースの改良が続けられました。家庭用ゲーム機において「コンピュータ将棋の強さ」を一般層に広く認識させた象徴的なシリーズであり、現在の『銀星将棋DX』シリーズへと続く、シルバースタージャパンの看板タイトルの原点となっています。

『最強銀星将棋』は、シルバースタージャパンが開発する「銀星」シリーズの源流にあたる作品です。世界コンピュータ将棋選手権での実績を持つ思考ルーチンを家庭で手軽に体験できるソフトとして構築され、現在の『銀星将棋DX2』へと続く進化の礎を築きました。

銀星将棋