『スーパー特撮大戦2001』は、2001年9月6日にPlayStation用ソフトとしてバンプレストより発売されたシミュレーションRPGであり、ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊など、東映や円谷プロの代表的な特撮ヒーローたちが一堂に会するクロスオーバー作品です。本作は、スーパーロボット大戦シリーズの基本システムをベースに構成されていますが、登場キャラクターが人間サイズであることや、変身システム・拠点制圧要素など、特撮らしいギミックを多数取り入れた独自の戦略性が大きな特徴となっています。
物語は複数のルートに分岐し、ウルトラ戦士たちが地球を侵略する宇宙人と戦うルート、仮面ライダーがショッカーなどの悪の秘密結社と戦うルート、そしてジャイアントロボやイナズマンといった他作品を横断するルートに分かれ、それぞれのヒーローたちの戦いがオムニバス形式で展開されていきます。登場キャラクターはフルボイスで表現されており、当時としては珍しく、原作に準拠した台詞や演出の再現に力が入れられました。
戦闘システムでは、「サイズ差」による攻撃制限が最大の特徴であり、等身大のヒーローたちは巨大怪獣やロボットとの直接戦闘ができません。その代わりに、拠点制圧を行って支援部隊を呼び寄せたり、変身後に強化された必殺技で支援攻撃を行ったりといった、間接的な連携要素が戦略の要となります。変身ヒーローは一定の気力を超えると変身可能になり、変身中は強力なスキルや必殺技が使用可能ですが、同時に毎ターンごとにENが消費されるため、継続使用には計画性が求められます。
参戦作品の選定は、ウルトラマンシリーズ(初代〜帰ってきたウルトラマン)、仮面ライダーシリーズ(1号・V3・BLACK・BLACK RX)、スーパー戦隊シリーズ(ゴレンジャー)の他、宇宙刑事シリーズ(ギャバン・シャリバン・シャイダー)や、キカイダー・イナズマン・ジャイアントロボ・レッドバロン・大鉄人17など、1970年代から80年代にかけての特撮作品群が網羅されており、“特撮黄金期”の夢の競演が実現しています。
ゲームバランスに関しては、敵の攻撃力・命中精度が非常に高く、「理不尽」とまで言われる難易度が指摘されることもあります。また、一部ユニットが登場条件を満たしていてもバグにより使えないなど、完成度に粗が見られる部分も残っており、プレイヤーの間では“熱意と愛情に満ちた不器用な一作”として語られることの多いタイトルです。それでもなお、原作再現度・ファンアイテムとしての完成度は高く、今なお特撮ファンの間で語り継がれる作品の一つです。
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