『仙界通録正史 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜』は、2001年3月29日にプレイステーションで発売されたサウンドノベル型のキャラエディットゲームです。原作は藤崎竜による漫画『封神演義』で、アニメ版の放送終了を記念して制作されました。プレイヤーが「藤崎竜に挑め!」というキャッチコピーのもと、原作の名場面やキャラクターの台詞を自由に組み替え、自分だけの封神演義を創造できるというユニークなコンセプトが話題となりました。
ゲームの中心は、数十種類のエピソード編集です。プレイヤーは立ち絵、背景、BGM、台詞を選び、原作のシーンを改変して新たな物語を作り上げます。たとえば、聞仲に演歌を歌わせたり、太公望の代わりに女性主人公「大公・望」を登場させたりと、原作ではあり得ない展開を自由に演出できます。完成したエピソードはキャラクターたちが評価してくれ、最高評価を目指すという遊び方も可能です。声優陣によるフルボイス収録も魅力のひとつで、アニメ未登場のキャラにも新規ボイスが用意されています。
操作性にはやや難があり、台詞送りのテンポが遅く、編集画面の動作も重めですが、それを補って余りある自由度と遊び心が詰まっています。エピソードは短編形式で構成され、パスワードによる保存・共有機能も搭載。公式サイトではユーザー投稿によるコンテストも開催され、ファン同士の交流も促進されました。原作の世界観を壊すことなく、むしろ拡張するような遊び方ができる点が、コアファンから高く評価されています。
プレイステーション専用タイトルとして登場した本作は、ADV形式の一枚絵とボイスによる演出を中心に構成されています。アニメ版の素材を活用しつつ、漫画版の要素も多く取り入れられており、原作ファンにとっては「もうひとつの封神演義」を体験できる貴重な作品です。ゲーム性よりも創作ツールとしての側面が強く、プレイヤーの感性が物語を形作るという、稀有なキャラゲーとして記憶されています。
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