『てんたま』は、2001年にKIDよりPlayStation向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームです。プレイヤーは高校2年生の主人公・早瀬川椎名として、見習い天使・花梨との共同生活を通じて、心の傷を癒しながら新たな恋と向き合っていきます。物語は、椎名のもとに天使界から派遣された花梨が「対象者を幸せにする」という卒業試験の課題を果たすために地上に降り立つところから始まります。

ゲームは選択肢によって物語が分岐するマルチエンディング形式で、ヒロイン視点への切り替え演出が特徴的です。プロローグでは渡瀬双葉との過去が描かれ、彼女の死を乗り越えることが物語の主軸となります。登場キャラクターには、花梨の親友である見習い天使・葵と奈菜、椎名の幼馴染・千夏、女子高生の真央と初音、神社の娘・理香子、大学生の結花などが登場し、それぞれに固有のルートとエンディングが用意されています。

システム面では、バックログ、既読スキップ、オートモードなど当時の標準的なADV機能を搭載しており、快適なプレイが可能です。クリア後にはサブキャラクター視点の裏シナリオ「URATAMA」が解放され、物語の補完が行われます。後にドリームキャスト版『てんたま -1st Sunny Side-』としてリメイクされ、さらにPlayStation 2版やWindows版にも移植されました。