『ハムスター物語』は、愛らしいハムスターの育成と多彩なミニゲームへの挑戦を楽しめる育成シミュレーション。2000年12月21日にカルチャーブレーンからPlayStationで発売され、同日に発売されたゲームボーイカラー版と共にシリーズの基礎を築いた作品です。

本作は、ケージの中で暮らすハムスターの飼い主となり、日々のコミュニケーションを通じて絆を深めることが目的です。プレイヤーは、ゴールデンハムスターやジャンガリアン、ロボロフスキーといった実在の品種からパートナーを選び、エサやりや掃除といったお世話を行います。PlayStationの描画能力を活かし、ハムスターたちが回し車で遊んだり、頬袋を膨らませたりする仕草が細やかなアニメーションで表現されています。

育成の核となるのが、ハムスターの能力を向上させるための「特訓」システムです。特訓はミニゲーム形式になっており、ボタン入力で障害物を避ける「ダッシュ」や、タイミングよくジャンプする「ジャンパー」など、アクション性の高い課題が用意されています。これらの特訓を通じて「スピード」「パワー」「かしこさ」「しんぼうづよさ」の4つのパラメータを上昇させることが、ゲーム進行において重要です。

育てたハムスターの成果を試す場として、作中では「ハムハムカップ」などの競技大会が開催されます。大会で優秀な成績を収めることで、新しい飼育アイテムや、より珍しい種類のハムスターを入手するための権利が得られます。ケージ内に配置できるアイテムは80種類以上に及び、ハウスや遊具、インテリアを自由にレイアウトして自分だけの飼育環境を構築する楽しさも備えています。

シリーズ最大の特徴は、複数のハムスターを交配させて次世代を誕生させる「お見合い」システムです。親が持つ毛色や模様、そして鍛え上げた能力値が子供に引き継がれる仕組みになっており、世代を重ねることでより強力な、あるいは希少な外見の個体を生み出すことができます。単なるペットの世話に留まらず、目標達成とコレクションを両立させた奥深いゲームデザインが採用されています。

『ハムスター物語』は、2000年前後に日本で巻き起こったハムスター飼育ブームを背景に、カルチャーブレーンが複数のプラットフォームで同時展開した同名シリーズの第1作目です。

ハムスター物語