『タツノコファイト』は、タカラより発売されたPlayStation用2D対戦型格闘ゲームであり、タツノコプロが1970年代に制作したヒーローアニメ4作品を中心に構成されたクロスオーバー作品です。参戦作品には『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』が含まれ、さらにゲームオリジナルキャラクターとして『電光石火ヴォルター』が登場します。これらのキャラクターは、独自のストーリーモードと必殺技演出を備え、原作の世界観を再現する構造で設計されています。

ゲームシステムは、8方向レバーと4ボタンによる操作体系を採用しており、攻撃を加えることで蓄積される「タツノコファイティングゲージ」によって特殊必殺技が使用可能となる設計です。ゲージは最大3ランクまで蓄積され、ランクに応じて技の威力が変化します。また、コンフィグ設定によりゲージを常時最大に固定したり、必殺技をワンボタンで発動するモードも選択可能です。これにより、初心者から上級者まで幅広いプレイヤー層に対応した操作性が確保されています。

登場キャラクターは、各作品の主人公とそのライバル・パートナーを中心に構成されており、ストーリーモードをクリアすることで使用可能キャラクターが順次解放される仕組みです。最終的には「ファイナルストーリーモード」が追加され、ラスボスであるジャレイザー帝国の幹部「ロースライセン」も使用可能となります。声優陣には原作からの続投と新規起用が混在しており、演出面では各作品のオープニング・エンディング映像がノンテロップで収録されるなど、資料的価値の高い構成が採用されています。

ゲームオリジナルキャラクター「電光石火ヴォルター」は、次元移動装置を駆使してパラレルワールドを巡る科学者バッテリングが変身したヒーローであり、電気・プラズマを操る能力を持ちます。彼の登場によって、既存作品の世界観に新たな軸が加えられ、クロスオーバー作品としての統合性が強化されています。ヴォルターのデザインはロベルト・フェラーリが担当しており、ミクロマンシリーズとしてフィギュア化もされています。