『聖ルミナス女学院』は、急逝した祖父の跡を継いで女子校の理事長に就任した男子高校生の視点から、生徒たちの悩みや日常を静かに見守るアドベンチャー。2000年5月25日にエクシングからPlayStationで発売され、1998年放映の同名テレビアニメ版と設定の一部を共有しつつも、キャラクターや物語を刷新した独自のゲーム作品として展開されました。

プレイヤーは北海道の大自然に囲まれた全寮制女子高「聖ルミナス女学院」の理事長兼生徒となり、学園運営と自身の学生生活を並行して進めます。本作の核心となるのは「SSS(シンクロナイズド・セキュリティ・システム)」と呼ばれる監視カメラシステムです。これを用いて校内各所をモニタリングし、生徒たちの私的な会話を収集することで、彼女たちの本音や抱えている問題を把握していきます。

収集した情報は「会話の切り札カード」として蓄積され、対象の生徒と対面した際のコミュニケーションを円滑にするリソースとなります。また、月一度の「理事会」では、生徒会からの要望や部活動の予算配分を決定する経営シミュレーションの要素も含まれます。年間予算2000万円をどのように運用するかが、生徒たちからの信頼や学園の行く末に直結する仕組みです。

シナリオ執筆には作家の久美沙織を起用しており、単なる恋愛対象としてのヒロイン描写に留まらない、女子高という閉鎖的なコミュニティに漂う特有の空気感や、多感な時期の少女たちが抱える生々しい葛藤が緻密に描かれています。プレイヤーをちやほやするような典型的なギャルゲーの構図とは一線を画し、あくまで一歩引いた「理事長」という特権的かつ客観的な立場から彼女たちの人生に介入する、内省的なプレイフィールが特徴です。

グラフィック面では、畑中詠美子による柔らかなキャラクターデザインが採用され、フルボイスではないものの当時の実力派声優陣が要所を固めています。学園生活の断片を切り取ったかのような静謐なテキストと、監視という背徳的な手段を通じて生徒の幸福を目指すという矛盾した構造が、他の学園物アドベンチャーにはない独自のプレイ体験を形作っています。

本作は、1998年に放映されたテレビアニメ『聖ルミナス女学院』の世界観をベースにしつつ、設定や物語を大幅に再構築したメディアミックス作品です。アニメ版の持つミステリアスな雰囲気とは対照的に、よりリアリティのある学園生活のシミュレートに重点が置かれています。

聖ルミナス女学院

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