『実名実況競馬ドリームクラシック』は、2000年5月18日にプレイステーションで発売された競馬育成シミュレーションゲームです。前作『ミリオンクラシック』から名称を改め、実名の競走馬・騎手・レース実況を導入することで、よりリアルな競馬体験を目指した意欲作です。バンダイが手がけた本作は、競馬ファンの夢を叶える「ドリームクラシック」の名にふさわしい、本格的な育成とレース戦略が融合した作品となっています。
プレイヤーは馬主兼調教師として、自厩舎で競走馬を育成し、クラシック三冠やGI制覇を目指します。育成には独自の「コドンシステム」が導入されており、遺伝子配列によって能力が変化するという奥深い配合戦略が求められます。牝馬の遺伝コドンや配列効果など、細かな要素が勝敗に直結するため、育成には緻密な計画が必要です。レースでは、実名実況による臨場感あふれる演出が展開され、人気馬同士の激戦がリアルタイムで描かれます。
本作のレースは展開による紛れが大きく、逃げ・先行が有利ながらも、差しや追い込みが決まる場面も多く存在します。勝負根性のある馬が直線で競り合うと一気に伸びるなど、展開の読みと騎手の指示が重要になります。騎手には実名が採用されており、自分の育てた馬に名騎手が騎乗する喜びも味わえます。海外遠征や地方競馬も収録されており、国内外の名レースを舞台に、自分だけの競走馬伝説を築くことができます。
プレイステーション専用タイトルとして登場した本作は、ロード時間の短さやスムーズな操作性が評価され、育成とレースの両面で高い完成度を誇ります。後のシリーズ作品に比べてシンプルながらも、育成の自由度と実名要素の融合により、競馬ゲームの原点とも言える魅力を放っています。競馬ファンにとっては、まさに「初代こそ至高」と呼ばれるにふさわしい一作です。
コメントを追加