GUNPEYのカバーアート

ゲーム概要

「GUNPEY」…その名を聞いて、パズルゲーム史における異端児、いや、革新者だと感じるゲーマーは少なくないだろう。ゲームボーイの生みの親、横井軍平氏が手がけたこの作品は、一見シンプルながら奥深いゲーム性で、多くのプレイヤーを虜にした。ライン付きのパネルを操作し、左右の壁を繋いで消していく。ただそれだけなのに、なぜこうも熱中してしまうのか? それは、単なるパズルゲームの枠を超えた、中毒性とも言える魅力が「GUNPEY」には秘められているからだ。手軽に遊べるのに、奥深さは無限大。そんなギャップこそが、このゲームの真骨頂と言えるだろう。

斬新なゲームシステム

「GUNPEY」のシステムは、まさにシンプル・イズ・ベストを体現している。縦10列、横5列のフィールドに、下からせり上がってくるパネル。パネルには「/」「\」「∧」「∨」の4種類のラインが描かれており、これらを上下に入れ替え、左右の壁を線で繋ぐことでパネルを消去する。一見単純だが、その奥深さは尋常ではない。

  • パネルは横一列だけでなく、斜めやS字型に繋げても消去可能。
  • パネル消去中は一時停止し、その間もパネルを動かせる「あとづけ」が可能。
  • この「あとづけ」は、横井氏が開発に参加した『パネルでポン』の「アクティブ連鎖」の進化形とも言える。

このシステムにより、プレイヤーは一瞬の判断力と、先を見越した戦略性を求められる。単にパネルを消すだけでなく、いかに効率よく、そして美しくラインを繋げるか。それが「GUNPEY」の醍醐味なのだ。

バリエーション豊かな展開

「GUNPEY」は、そのシンプルなゲーム性を活かし、様々なプラットフォームやキャラクターとのコラボレーションを実現してきた。

  • キーチェーンタイプの液晶ゲーム「へのへの」が原型。
  • ワンダースワンのローンチタイトルとして登場し、ハードを代表するパズルゲームとなった。
  • 「たれぱんだ」とのコラボレーション版も発売。
  • PlayStationやアーケードゲームとしても展開。
  • ニンテンドーDSでは、タッチペン操作や2画面を活用した新モードが追加。音楽ゲームとしての要素も加わった「音をつなごう!グンペイりば~す」が登場。
  • PlayStation Portable版「GUNPEY-R」では、音楽とスキンが連動する、まるで『ルミネス』のような感覚が味わえる。

このように、「GUNPEY」は時代に合わせて進化を続け、常に新しいゲーム体験を提供してきた。その根底にあるのは、横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」という理念なのかもしれない。