『純情で可憐メイマイ騎士団 スペクトラルフォース聖少女外伝』は、1999年11月25日にアイディアファクトリーよりPlayStation向けに発売されたシミュレーションRPG。本作は、広大なネバーランド大陸の覇権を争う国盗り戦略ゲーム『スペクトラルフォース』の世界観をベースにしつつ、美少女キャラクターたちとの交流や恋愛模様に焦点を当てた外伝作品です。硬派な戦記物である本編とは異なり、プレイヤーは特定の国「メイマイ騎士団」の指揮官となり、ヒロインたちと絆を深めながら大陸統一ではなく戦争の終結を目指す独自の物語が描かれています。

物語の主人公は、亡き父との約束を果たすため東の国からやってきた青年フォルトです。彼はメイマイ王国の王女ティナや親衛隊長のラトといった魅力的な少女たちと協力し、弱小国であるメイマイ王国を守り抜くために立ち上がります。ゲームの進行は本編と同様に「内政」や「外交」を行い国力を高め、最大1000対1000の兵士が激突する大規模な集団戦闘で敵国を退ける流れとなりますが、本作では戦闘の合間にヒロインたちとの会話イベントが頻繁に発生し、彼女たちの素顔や悩みに触れることができます。

本作の最大の特徴は、ヒロインたちとの「好感度」によって結末が変化するマルチエンディング方式が採用されている点です。王女ティナをはじめ、元気な魔法使いキラットや魔獣使いのアニータなど、個性豊かな5人のヒロインそれぞれに専用のエンディングが用意されており、戦いの中で誰と親密な関係を築くかが重要となります。戦略シミュレーションとしての歯ごたえと、キャラクターゲームとしての華やかさが融合し、ネバーランドの歴史をまた違った視点から楽しめる一作となっています。

原作となる『スペクトラルフォース』は、1997年にアイディアファクトリーより発売されたファンタジーシミュレーションRPGです。架空の世界「ネバーランド」を舞台に、人間や魔族など40カ国の勢力が大陸の覇権を巡って争う壮大な戦記が描かれています。本作『メイマイ騎士団』は、シリーズ第3作『スペクトラルフォース 愛しき邪悪』と同じ時代・同じ大陸を舞台にしており、本編では語られなかった南西の小国「メイマイ王国」の視点から描かれるアナザーストーリーとして位置づけられています。

スペクトラルフォース (PlayStation)