『マジカルドロップF』は、1999年10月21日にプレイステーション用としてデータイーストから発売されたアクションパズルゲームです。アーケードで人気を博した『マジカルドロップ』シリーズの流れを汲みつつ、シリーズ初のRPG風ストーリーモードを搭載した作品であり、従来の対戦パズルに加えてキャラクター同士の会話やイベントを楽しめる構成になっています。サブタイトルやナンバリングは付いていませんが、事実上『マジカルドロップIII』の続編的な位置づけです。

物語は、タロットカードをモチーフにしたキャラクターたちが暮らす世界を舞台に、主人公「ジャスティス」または「ラバーズ」の視点で進行します。世界各地を巡りながら仲間やライバルと出会い、会話イベントの中で発生するパズル対戦に勝利することで物語が進みます。ストーリーはマルチシナリオ形式で、選択肢や勝敗によって展開やエンディングが変化します。

ゲームシステムは、画面上部から迫ってくる色付きの「ドロップ」を、キャラクターが吸い取り(すう)・吐き出し(はく)して同色3個以上を縦に並べて消すというシリーズ共通のルールを採用しています。連鎖やコンボを決めることで相手フィールドにドロップを送り込み、相手のフィールドを埋め尽くせば勝利です。本作では対戦中にアイテムを使用できる要素が追加され、攻撃や防御、フィールド操作など多彩な効果を発揮します。アイテムはストーリーモードで入手でき、キャラクターごとに異なる演出や変身が発生します。

グラフィックは従来作から一新され、キャラクターデザインや一部の性格設定も変更されています。『マジカルドロップIII』に登場したキャラクターの多くが続投する一方、「ブラックピエロ」を除き、隠しキャラクターとして新規の「バーンズ」なども登場します。BGMは新曲とアレンジ曲を収録し、声優陣も一新されて有名声優が多数起用されています。