『Lの季節 -A piece of memories-』は、現実と幻想という二つの世界が交錯する物語を読み解くデジタルノベル・アドベンチャーゲーム。1999年8月5日にトンキンハウスからPlayStationで発売されました。
本作は、ごく普通の学園生活を送る「現実界」と、魔法や亜人間が存在するファンタジー世界「幻想界」という、一見無関係に見える二つの舞台設定を持っています。プレイヤーはゲーム開始時に、現実界の主人公である新聞部員「上岡進」か、幻想界の主人公であるバンドマン「桐生真」のどちらかを選択して物語を開始します。それぞれの世界では「謎の連続意識喪失事件」や「魔水晶のペンダント」を巡る事件が発生しており、異なる視点から物語を追うことで、徐々に二つの世界の密接なリンクと隠された真実が明らかになっていきます。
システム面における最大の特徴は、一般的な選択肢に加え、プレイヤーが主人公の思考や態度に介入する「IPS(Intelligent Play System/口出しシステム)」を搭載している点です。これは、会話中に画面上に表示されるアイコンに合わせてボタンを押すことで、相手の発言に対して肯定や否定といった意思表示を行う機能です。この「口出し」を行うか否かによって、ヒロインの好感度を示す「エモーショナルグラフ」が変動したり、後の展開や選択肢そのものが変化したりするため、単に物語を読むだけでなく、主人公の精神状態をコントロールするような能動的なプレイ感覚を味わうことができます。
本作のキャラクターデザインを担当した渡辺明夫氏は、後にアニメ『化物語』シリーズなどのキャラクターデザインで広く知られることになるクリエイターです。本作においても、その柔らかく特徴的なタッチで描かれたヒロインたちが、シリアスな世界観の中で際立った存在感を放っています。ここでは、渡辺明夫氏の美麗なイラストを多数収録した画集を紹介します。ゲーム内で見せた彼女たちの表情や、氏の描く独特の色彩感覚を、高精細な印刷で改めて堪能することができます。
渡辺明夫 アニメーションデザインワークス [書籍]













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