『ブレードメーカー』は、IT技術書の出版社として知られる翔泳社がPlayStation市場に送り出した、異色の武器屋経営シミュレーションRPG。1999年7月1日に発売されました。
本作のキャッチコピーは「新感覚ロールプレイングゲーム」ですが、実際の中身は、プレイヤー自身が剣を振るうのではなく、剣を売って冒険者たちを支援する「裏方」に徹する経営シムです。主人公は、亡き父が残した莫大な借金を返済するため、実家の武器屋を継ぐことになった青年。店を訪れる6人の個性的な冒険者たちに、素材から鍛造した武器や防具を販売し、彼らをダンジョンへと送り出します。
最大の特徴は、商品を売った後の冒険者たちの行動を、魔法の水晶を通じて「覗き見」できるシステムです。自分が作った剣の切れ味はどうだったか、あの防具で怪我は防げたか……プレイヤーは店にいながらにして、彼らの冒険とドラマをモニタリングします。提供した装備の質によって冒険の成否が変わり、時にはシナリオの展開すら左右することも。
パッケージには美麗な8頭身キャラクターが描かれていますが、ゲーム画面では可愛らしい2頭身のSDキャラクターがちょこまかと動くギャップもご愛敬。派手な演出やボイスはありませんが、職人に指示を出して新商品を開発し、「売って、見守る」という独特のサイクルが癖になる、知る人ぞ知るスルメゲーです。
【ジャンル:経営シミュレーションについて】
本作のように「冒険者ではなく店主になる」というコンセプトは、後の『ルセッティア』やスマホアプリなどで一つの定番ジャンルとなりましたが、PlayStation時代においては非常に意欲的な試みでした。翔泳社は他にも『精霊召喚』などのシミュレーションRPGをリリースしており、PC書籍出版で培った緻密なデータ管理のノウハウをゲーム作りに活かしていました。













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