『ちびキャラゲーム銀河英雄伝説』は、壮大なSF叙事詩のキャラクターたちが可愛らしい2頭身姿で登場するバラエティ豊かなミニゲーム集です。1999年5月27日に徳間書店からPlayStationで発売され、重厚な原作の雰囲気とは一線を画すコミカルな世界観がファンから親しまれました。

本作の最大の特徴は、硬派な戦記物である『銀河英雄伝説』のキャラクターをデフォルメし、ボードゲームやトランプといった親しみやすいルールで遊べる点にあります。ディスク2枚組の構成となっており、ディスク1は銀河帝国、ディスク2は自由惑星同盟のキャラクターを中心とした構成です。ビリヤード、すごろく、神経衰弱、ソリティア、カジノゲームなど、それぞれの陣営にちなんだキャラクターたちが対戦相手やガイド役として登場します。

ゲームを勝ち進むことで解放される「ご褒美」要素も非常に充実しています。各ミニゲームをクリアすると、ちびキャラたちが繰り広げる新作ミニアニメを視聴することができます。これらのムービーは、ラインハルトが「桃太郎」に扮したり、ヤン・ウェンリーが「おじいさん」となって山へ芝刈りに出かけたりといった、日本昔話をパロディにしたシュールで愛らしい内容が収められています。

演出面では、原作のアニメ版(OVA)と同様の豪華声優陣がキャスティングされており、キャラクターたちが賑やかに喋りまくるフルボイス仕様となっています。普段の真剣な表情からは想像できないような、ちびキャラならではのコミカルな掛け合いを名優たちの演技で楽しめるのは、本作ならではの贅沢なポイントです。

パッケージにはキャラクターの携帯ストラップが同梱されており、ラインハルト版とヤン版の2種類が販売されました。ゲーム性そのものはシンプルなテーブルゲームが中心ですが、随所に散りばめられたキャラクターへの愛と遊び心溢れる演出により、熾烈な宇宙の戦いから離れて一息つける、ファン必携のコレクションアイテムとしての魅力が凝縮されています。

『ちびキャラゲーム銀河英雄伝説』は、田中芳樹氏によるSF小説の金字塔『銀河英雄伝説』を原作としています。数千年後の未来、銀河帝国と自由惑星同盟の二大勢力に分かれて戦う人類の歴史を、魅力的な英雄たちの知略と群像劇を通じて描き出した傑作タイトルです。

銀河英雄伝説