『撃王〜紫炎龍〜』は、1997年にアーケードで人気を博した縦スクロール型シューティング『紫炎龍』をベースに、家庭用独自の要素をふんだんに盛り込んだ一作です。1999年5月20日に童(わらし)からPlayStationで発売され、そのオーソドックスながらも骨太なゲーム性と、ユニークなおまけモードの数々でシューティングファンから親しまれました。
物語は、突如として飛来した巨大彗星とともに現れた未知の敵勢力の攻撃により、壊滅的な打撃を受けた地球が舞台。生き残った人類は、最新鋭戦闘機「紫炎龍」を完成させ、敵の母星へと反撃の狼煙を上げます。プレイヤーは紫炎龍のパイロットとなり、全8ステージに及ぶ過酷な戦場を駆け抜け、背後に潜む巨大な脅威の正体を暴くための戦いに身を投じます。
武装システムは、赤(ワイド)、青(レーザー)、黄(ホーミング)の3種類のアイテムを主軸としています。赤は広範囲をカバーするバルカン、青は強力な攻撃力を持つライトニングレーザー、黄は敵を追尾するミサイルとなっており、状況に応じてこれらを瞬時に切り替える戦略的な立ち回りが求められます。画面内の敵を一掃する強力なボムも完備されており、2Dシューティングの王道である「撃つ・避ける・壊す」の楽しさが純粋に追求されています。
PlayStation版独自の新機軸として、全6種類にも及ぶバラエティ豊かな「おまけモード」が収録されている点が本作最大の特徴です。自機や敵弾の速度が極端に遅くなり、おどろおどろしい効果音が響く「ノロイリュウ」、残弾数やコンテニューに厳しい制限がかかる「せこいりゅう」、さらには敵弾が尋常ではない速度で飛んでくる「ずるい龍」など、アーケード版とは全く異なるプレイフィールを楽しむことができます。
また、当時の周辺機器であるポケットステーションに対応したミニゲーム「JIENRYU」も収録されました。ドット液晶をファインダーに見立てたレトロな演出が施されており、バッテリー残量を気にしながらプレイするといったメタ的なギミックが話題を呼びました。セガサターン版がアーケードの忠実な再現を目指したのに対し、本作は「撃王」の名に相応しく、一つのタイトルを多角的に遊び尽くすための工夫が凝らされた一作に仕上げられています。
『撃王〜紫炎龍〜』は、1997年に童(わらし)が開発したアーケードゲーム『紫炎龍』を原点としています。90年代の2Dシューティング黄金期を彷彿とさせる緻密な描き込みと、巨大なボスとの迫力ある戦闘が多くのファンから高く評価された、本格派のシューティング作品です。












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