『太陽のお告げ』は、ポップなキャラクターと本格的な四柱推命を融合させ、運命の羅針盤をポケットの中に収める占いシミュレーション。1999年4月22日にプログレスからPlayStationで発売され、当時ブームを巻き起こしていた周辺機器「PocketStation(ポケットステーション)」との完全連動を売りに展開されました。
本作は、生年月日と出生時刻を入力することで、「恋愛・相性・仕事・勉強」といった人生のあらゆる局面を四柱推命に基づいて詳細に診断できるソフトです。堅苦しくなりがちな占いの専門用語(通変星など)を、愛らしい2頭身のキャラクターに擬人化して表現しているのが特徴で、画面の中をコミカルに動き回るキャラクターたちが、プレイヤーの分身として運勢を教えてくれます。単なる遊びの診断にとどまらず、154歳までの人生チャートが表示されるなど、そのデータ量は驚くほど膨大かつ本格的です。
最大の特徴は、携帯ゲーム機としての機能も持つメモリーカード「PocketStation」への対応です。自宅のテレビで詳細なデータを入力・管理し、その結果をポケステに転送することで、外出先でも手軽に「今日の運勢」や、その場で出会った人との「相性診断」を行うことが可能でした。学校や職場でのコミュニケーションツールとして機能するように設計されており、最大240人(一部資料では250人)もの知人データを登録できる名簿機能も搭載されています。
また、息抜き要素としてミニゲームも収録されていますが、あくまで主眼は「正確な占いツール」としての実用性に置かれています。当時、一部のゲーム雑誌では「ゲーム性が薄い」と評価されることもありましたが、開発スタッフが後に「これはゲームではなく占いソフトである」と語ったように、エンターテインメントよりも精度の高い診断ツールを目指して作られた、独自の立ち位置を持つ作品です。
『太陽のお告げ』のベースとなっているのは、古代中国から伝わる占術「四柱推命」です。生年・月・日・時の4つの柱から人の命運を推察するこの技法は、的中率の高さから「占いの帝王」とも呼ばれています。本作は、その複雑な計算式をデジタル処理することで、誰でも手軽に本格的な診断を楽しめるようにした先駆け的な作品といえます。













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