『ことぶきグランプリ〜めざせ原チャリキング〜』は、1999年4月8日にPlayStation向けに発売されたアクションレースゲームで、個性豊かなキャラクターたちが原付バイクや三輪車で町中を駆け抜ける奇想天外なレースが展開されます。舞台は富豪の道楽でサーキット化された「ことぶき町」。プレイヤーは予選レースやイベントを通じてコインを集め、最終レースでボス「法皇院綾女」を抜いて1位を目指します。

登場キャラクターは、病気の妹のために戦うピザ屋の青年、探偵物語のパロディキャラ、すし職人、女子高生、宇宙人など、職業も性格も乗り物もバラバラ。それぞれの能力や特性を活かしながら、アイテムで妨害したり、ギャルソンを育てて料理を提供したりと、ボードゲーム的な要素も融合しています。コースは峠道や商店街、ダムなど多彩で、直角カーブやヘアピンがプレイヤーの操作技術を試します。

レースは最大6人で行われ、1人プレイと対戦モードが用意されています。イベントや隠しキャラの登場により、展開は毎回異なり、ギャルソンの育成や料理の価格設定など戦略性も求められます。エンディングは順位によって分岐し、2位以下ではバッドエンドとなるため、勝利への執念が試されます。CMでは松田優作の『探偵物語』の映像が使われ、作品のユーモアと熱量を象徴しています。

PlayStation版は、当時としては珍しい町全体を舞台にしたレース構成と、キャラクターの個性を活かした演出が特徴です。2001年には廉価版が発売され、ゲームアーカイブスでも復刻され、レトロゲームファンの間で再評価されています。操作性はシンプルながら奥深く、イベントの多様性と隠し要素が繰り返しプレイを促します。