『封神演義 愛蔵版』は、1999年にPlayStation向けに発売された『封神演義』シリーズの強化版です。前作『封神演義』(1998年発売)をベースに、洞府修行の仕様変更や音声追加、難易度設定、PocketStation対応など多くの新要素が加えられました。特に、岡崎武士氏による原画資料集モードや「つぶやき」モードの追加により、キャラクターの個性や世界観がより深く描かれています。シリーズはその後も『封神演義2』『バトル封神』『マジカル封神』など多様なジャンルで展開されましたが、本作は原作小説の戦略的要素とキャラクター描写を融合させた初期の完成形といえます。

プレイヤーは古代中国の伝奇小説『封神演義』をもとに、道士・太公望として殷の紂王や妲己を討つ旅に出ます。ステージ形式のシミュレーションRPGで、地形を隆起・陥没させる「符印」や、強力なアイテム「宝貝」を駆使して戦況を切り開きます。こうして、プレイヤーは仲間と連携しながら、仙人や妖魔との戦いを重ねていきます。

たとえば、洞府では最大5人まで同時に修行が可能となり、仙人や白鶴童子、申公豹との対戦も追加されています。そのため、育成の自由度が高まり、戦略の幅が広がります。こうして、プレイヤーは符印の組み合わせや宝貝の活用によって、地形を操りながら敵を追い詰めていきます。

やがて、物語は太公望の成長とともに進み、仲間との絆や仙界との関係が深まっていきます。音声付きのイベントや「つぶやき」モードでは、キャラクターの内面や関係性が描かれ、物語に厚みを加えます。こうして、プレイヤーは戦術と物語の両面から世界を体験し、封神の使命を果たしていきます。