名称 | To Heart |
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ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
発売元 | アクアプラス |
発売日(配信日) | 1999年03月25日 |
機種 | PlayStation(PS) |
年齢区分 |
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『To Heart』は、1997年に登場した学園ラブコメビジュアルノベル。それまでのLeaf作品とは一線を画し、より広い層へアピールすることを目指した意欲作だ。サウンドノベルの手法を取り入れた「ビジュアルノベル」として、青春恋愛群像劇を描き出す。主人公とその幼馴染みを中心に、個性豊かな女子高校生たちとの交流が、春休みを挟んだ学園生活の中で繰り広げられる。アダルトゲームからのスタートでありながら、アダルト要素を排除したPlayStationへの移植、そしてTVアニメ化へと展開し、美少女ゲームのメディアミックスの先駆けとなったことは特筆すべき点だろう。ライトノベルの雰囲気をまとい、新たなマーケットを開拓したその功績は大きい。
物語は、主人公と幼馴染みである神岸あかりとの関係を中心に展開していく。春休みを挟み、高校生活の中で様々な出来事が起こり、ヒロインたちとの距離が近づいていく。主人公は、誰に対しても分け隔てなく接する、いわゆる「いい奴」。困っている人を見過ごせない性格が、物語を大きく動かしていく。特に、迷子に対して特別な思い入れがあるという設定も、彼のキャラクターを際立たせている要素の一つだろう。個性的なヒロインたちとの出会いと交流を通して、甘く切ない青春模様が描かれる。
本作は、単なるテキストアドベンチャーではない。サウンドノベルの手法を取り入れた「ビジュアルノベル」として、物語を彩る演出にも力が注がれている。選択肢によって物語が変化していくのはもちろんのこと、キャラクターの感情表現や背景描写など、細部にまでこだわりが感じられる。また、PlayStation版では、Windows版にはなかった要素が多数追加されている点も見逃せない。例えば、来栖川綾香のシナリオが新規に追加されたり、ミニゲームが楽しめるようになったりと、よりゲームとしての完成度を高めている。放課後の行動選択時に、専用画面で誰がどこにいるのかが分かるようになったのも、親切な設計だ。
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