『コリン・マクレー ザ・ラリー』は、史上最年少でWRC(世界ラリー選手権)王者に輝いた伝説のドライバー、コリン・マクレーの名を冠した本格ラリーシミュレーション。1999年3月11日にスパイクからプレイステーションで発売され、アーケードライクな挙動が主流だった当時のレースゲーム界に、ストイックなリアリティを持ち込んだ意欲作です。

本作は、マクレー自身が開発に深く関与しており、実際のラリー競技を忠実に再現しているのが最大の特徴です。プレイヤーは世界8カ国、全52にも及ぶスペシャルステージ(SS)を転戦し、ライバル車と直接競うのではなく、純粋に「タイム」との戦いに挑みます。登場車種は、パッケージを飾る「スバル・インプレッサWRC」をはじめ、三菱ランサーエボリューション、トヨタ・カローラWRCといった当時の主力WRカーに加え、往年の名車も実名で収録されています。

挙動は非常にシビアで、路面状況(グラベル、ターマック、スノーなど)に応じた繊細なハンドリングとアクセルワークが要求されます。特筆すべきはダメージ表現のリアルさで、衝突を繰り返すとボディが凹むだけでなく、ギアボックスの故障やサスペンションの破損といったメカニカルトラブルが発生し、走行性能が著しく低下します。ナビゲーター(コ・ドライバー)の指示だけを頼りに、視界不良の夜間コースや悪路を疾走する緊張感は、まさに本物のラリードライバー体験そのものです。

『コリン・マクレー ザ・ラリー』は、スコットランド出身のラリードライバー、コリン・マクレー(Colin McRae)をフィーチャーした作品です。1995年のWRCドライバーズチャンピオンであり、「マクレー・シリーズ」は現在の『DiRT』シリーズへと系譜が受け継がれるラリーゲームの金字塔となっています。

コリン・マクレー(関連ゲーム)