『ウェルトオブ・イストリア』は、1999年にPlayStation向けに発売された自由度重視のフリーシナリオ型RPGです。ハドソンが開発を手がけ、プレイヤーが自ら主人公を作成し、100以上のシナリオピースを組み合わせて物語を紡ぐという独自の構造を採用しています。発売後は2008年にゲームアーカイブス版が配信され、PS3・PSP・PS Vitaでのプレイが可能となりました。2020年代には攻略Wikiや資料サイトが継続的に更新され、根強いファン層による情報整理が続いています。

プレイヤーは、性別・年齢・髪型・髪色・誕生日・体重・身長などを自由に設定し、自分だけの主人公を作成します。こうして、イストリア国を舞台に、盗賊、魔術師、騎士、商人など多彩な職業を選びながら、冒険や恋愛、結婚、犯罪、就職など多様な人生を体験します。たとえば、ドラゴン退治を目指して戦闘を重ねたり、町の住人と交流して好感度を高めることで結婚イベントに発展することもあります。

戦闘はターン制で進行し、仲間キャラは自律的に行動します。そのため、プレイヤーは指示を出すだけでなく、仲間の性格や装備によって戦術を調整する必要があります。たとえば、魔法使いが自発的に回復魔法を使ったり、盗賊がアイテムを自動で購入して所持しているなど、AIによる行動が物語に影響を与えます。こうして、プレイヤーは町での情報収集やアイテム合成を通じて、シナリオピースを解放しながら物語を進めていきます。

やがて、プレイヤーは「ドラゴンスレイヤー」の称号を得るために強敵と戦い、称号や職業によって異なるエンディングを迎えます。服や武器の色によって称号が変化するなど、細かな演出も用意されており、プレイヤーの選択が世界に反映されます。こうして、イストリア国での人生を自由に描きながら、自分だけの物語を完結させていきます。