『アンジェリーク 天空の鎮魂歌』は、1998年にPC-FX版として初登場し、1999年にはPlayStation版が発売された「アンジェリーク」シリーズ初のRPG作品です。本作は『アンジェリークSpecial2』の後日談にあたり、主人公アンジェリーク・コレットが新宇宙の女王として旧宇宙の危機に立ち向かう物語が描かれています。従来の育成型恋愛シミュレーションとは異なり、探索・戦闘・イベントを中心とした構造が採用されています。

ゲームシステムはコマンド入力型のターン制バトルを基盤とし、最大5人のパーティ編成による戦略的な戦闘が展開されます。守護聖や教官、協力者など計16名の仲間キャラクターが登場し、プレイヤーの選択によって旅の展開やエンディングが分岐する設計です。特技や「かばう」などのコマンドはキャラクターごとの個性を反映しており、戦闘演出と恋愛イベントの両面でキャラクター性が強調されています。

物語は、新宇宙の女王アンジェリークが旧宇宙の女王ロザリアから救援を求められ、皇帝レヴィアスによって支配された旧宇宙を解放するために旅立つという構成です。各惑星には守護聖が囚われており、彼らを解放しながら物語を進めていく形式となっています。恋愛イベントはパーティメンバーとの親密度や相性によって発生し、複数の恋愛エンディングが用意されています。

PlayStation版では、初回限定のプレミアBOXが発売され、描き下ろしイラストや特典アイテムが同梱される豪華仕様となっていました。キャラクターデザインは由羅カイリ氏が担当し、音楽は藤澤道雄氏が手掛けています。アニメーション制作はメディアビジョンが担当し、イベント演出において視覚的な魅力が強化されています。これにより、シリーズの世界観を拡張しつつ、RPGとしての新たな試みが実現された作品となっています。