『街 〜運命の交差点〜』は、チュンソフトが開発・発売したサウンドノベル形式のアドベンチャーゲームです。PlayStation版は1999年にリリースされ、セガサターン版からの移植にあたりますが、システム面での改良や追加要素が施されています。実写映像を用いた群像劇スタイルが特徴で、渋谷を舞台に8人の主人公の物語が複雑に交差する構成となっています。

本作では、プレイヤーが各主人公の視点を切り替えながら物語を進める「ザッピング」システムが導入されており、ある主人公の選択が他の主人公の運命に影響を与える仕組みが中心となっています。また、TIP(用語解説)機能により、専門用語や登場人物の背景を補足することで、物語の理解を助ける設計がなされています。PlayStation版では、バッドエンドのリスト表示やタイムチャート機能などが追加され、プレイの利便性が向上しています。

さらに、隠しシナリオ「青ムシ抄」や「花火」などが存在し、特定の条件を満たすことで解放される仕組みも搭載されています。これらのシナリオは本編とは異なる演出や構成が採用されており、作品世界の広がりを感じさせる要素となっています。実写映像と多彩なジャンルのシナリオが融合した本作は、サウンドノベルの可能性を拡張した意欲作として評価されています。