『ザ・ファミレス』は、誰もが知る「ファミリーレストラン」の経営者となり、理想の店舗運営と多店舗展開を目指す経営シミュレーションゲーム。1998年12月3日にアートディンクからPlayStationで発売されました。

本作の開発は、大ヒット作『ザ・コンビニ』を手掛けたマスターピースが担当しており、プレイヤーは和食・洋食・中華の3ジャンルから参入する業態を選択してスタートします。コンビニ経営と決定的に異なるのは、「料理人(キッチン)」と「店員(ホール)」という異なる職種のスタッフを管理する必要がある点です。料理人の腕が上がらなければ高級メニューは提供できず、ホールの接客が悪ければ客足は遠のくため、人材育成が経営の生命線となります。

用意されたメニューは、カツ丼、ハンバーグ、北京ダックなど全110種類以上。プレイヤーは季節や客層に合わせてメニュー構成を練り、内装レイアウトを工夫して回転率を上げ、ライバル店との競争に勝ち抜かなければなりません。深夜営業を行うか、どの価格帯で勝負するかなど、オーナーとしての判断は多岐にわたり、画面内をちょこまかと動く客たちが料理を注文し、食事をして会計を済ませる様子を眺めているだけでも楽しめる「箱庭的な面白さ」が詰まっています。

本作の開発を手掛けたマスターピースは、日本の経営シミュレーションゲームにおけるヒットメーカーです。特に、商品を棚に並べて客の反応を見る『ザ・コンビニ』シリーズで一時代を築きました。発売元のアートディンクも『A列車で行こう』シリーズなどで知られる「こだわり派」のメーカーであり、両社のタッグによって、数値管理の奥深さと、店内の様子を眺めるビジュアル的な楽しさが両立されています。後にD3パブリッシャーの「SIMPLE1500シリーズ」等で廉価版が発売されましたが、本作はそのオリジナル版にあたります。

ザ・ファミレス(関連商品)

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