『serial experiments lain』は、架空のOS上のデータを解析して少女の秘密に迫る、実験的なサイコホラーアドベンチャー。1998年11月26日にパイオニアLDCからPlayStationで発売されました。

同時期に放映されたテレビアニメ版と世界観やキャラクターを共有しつつも、全く異なるストーリーと結末を描いたメディアミックス作品です。本作は一般的なゲームのようにステージをクリアする概念がなく、架空のネットワーク端末を通じて、主人公・岩倉玲音(レイン)が残した「日記」や「カウンセリング記録」といった断片的な音声・映像データを検索・再生していくことで進行します。

プレイヤーは、精神を病みカウンセリングを受ける玲音と、彼女を取り巻く不穏な環境、そして現実世界と電脳世界「ワイヤード」の境界が曖昧になっていく過程を、膨大なログデータを通じて追体験します。明確なゲームオーバーやクリア条件が希薄でありながら、情報を繋ぎ合わせることで浮かび上がる衝撃的な真実は、プレイヤーの精神を侵食するほどの没入感と恐怖を与えます。

『serial experiments lain』は、1998年にアニメ、ゲーム、雑誌連載が同時進行したメディアミックス企画です。「存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている」という哲学的なテーマと、インターネットが普及し始めた当時の空気感を反映したサイバーパンク・サイコホラー作品として、世界中で高い評価を得ています。

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