『オウバードフォースアフター』は、1998年にPlayStationで発売された3D戦術級シミュレーションゲームで、前作『オウバードフォース』の続編として登場しました。宇宙戦争をテーマにした本作は、複数の惑星国家が入り乱れるエレミア星系を舞台に、政治的陰謀と艦隊戦が交錯する壮大な物語を描いています。発売当時は、3次元マップによる戦術性と重厚な世界設定が注目されましたが、操作性やテンポに課題を残し、評価は分かれる結果となりました。

プレイヤーは、艦隊司令官として自軍を指揮し、立方体で構成された3Dマップ上で艦艇や艦載機を展開していきます。艦載機は3機1組の小隊として運用され、有人機と無人機の役割が明確に分かれているほか、武装は用途別に細分化され、戦術の選択肢が広がっています。戦闘はターン制で進行し、ユニットの向きや高度差が戦局に影響を与えるため、空間認識力と戦略眼が求められます。一方で、火力バランスの不均衡や敵艦の耐久力の高さがテンポを損ねる要因となっており、戦闘の冗長さが指摘される場面もあります。

物語は、前作で勃発したデュミナス王国とデトロワ連邦共和国の戦争がさらに拡大し、和平交渉の場で謎の艦隊による襲撃が発生したことで、全星系を巻き込む大戦へと発展していきます。プレイヤーは、オルキス軍の生き残り「カイン・ディー」として、混迷する戦局の中で自らの選択によって未来を切り開いていきます。ストーリーは分岐構造を採用しており、選択によって異なる結末が用意されているため、周回プレイによる物語の深掘りが可能です。

本作はPlayStation専用タイトルとして、艦艇や艦載機の3Dモデルを閲覧できるビューワー機能や、渡辺俊幸氏による重厚なBGMなど、演出面にも力が入っています。前作からの改善点も多く見られますが、戦闘テンポやAI挙動などに課題を残しており、完成度の面では惜しい部分もあります。それでも、宇宙戦争を本格的に描いた意欲作として、独自の世界観とメカデザインは今なお一部のファンに支持され続けています。

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