『ひみつ戦隊メタモルV DX』は、1998年に毎日コミュニケーションズよりプレイステーション向けに発売されたアドベンチャーゲームです。本作は、同年4月にセガサターンで発売された『ひみつ戦隊メタモルV』の移植版であり、追加シナリオや演出強化を施したデラックス仕様として構成されています。開発はフェイクラフトが担当しており、遠藤正二朗による企画・脚本を基盤とした特撮パロディ作品として位置づけられています。

物語は、地球侵略を企むアドニス帝国に対抗するため、銀河警察連邦の宇宙刑事シャトナーが地球の小学生たちを「代理刑事」としてスカウトし、変身ヒロイン部隊「メタモルV」を結成するという構成です。主人公・新条咲慧は転校初日に事件に巻き込まれ、2代目メタモルレッドとして任命されることになります。各キャラクターは「カラード特性」と呼ばれる色属性を持ち、それに応じた変身後の姿と武器が設定されています。

ゲームシステムは、フルボイスによるADV形式と、感情選択型の「ALIS(Active Language Interactive System)」を組み合わせた構造で構成されています。プレイヤーは「強気」「冷静」「弱気」のいずれかを選択することで、会話の展開や信頼度に影響を与えることができます。各話の終盤にはターン制の戦闘パートが挿入され、シナリオ中で取得した「キーワード」を組み合わせることで必殺技を構築する設計です。戦闘は敗北が存在せず、いかに効率的に勝利するかが評価に影響する構造となっています。

PS版では、セガサターン版に未収録だった「特別編」が追加されており、宇宙刑事シャロンの登場や伊豆を舞台にしたUFO騒動など、新規シナリオが展開されます。また、アニメーションのフルサイズ化、超必殺技の演出強化、デュアルショック対応による振動演出など、演出面の強化が施されています。初回特典としてキャラクターカードが封入されており、ファンアイテムとしての価値も高い仕様です。