『仮面ライダー』は、1998年にバンダイよりプレイステーション向けに発売された3D対戦格闘ゲームです。本作は昭和仮面ライダーシリーズを題材とした初の3D格闘作品であり、原作の映像・音声を活用した演出を特徴としています。開発はKAZeが担当し、後に発売された『仮面ライダーV3』とシステム的な連続性を持つ構成となっています。
ゲームモードは「ライダーストーリー」と「ショッカーストーリー」の2系統に分かれており、前者では仮面ライダー側の視点で怪人と戦い、後者ではショッカー怪人としてライダーを倒すことを目的とした構造です。ショッカーストーリーはコンティニュー不可の勝ち抜き形式で、敗北した怪人は即座に処刑されるという設定が導入されています。その他にも「死闘!戦闘員モード」「サバイバルモード」「特訓モード」「デジタルカードモード」など多彩なモードが搭載されています。
登場キャラクターは仮面ライダー1号・2号をはじめ、蜘蛛男、カメレオン男、蜂女、サボテグロン、ピラザウルス、ガラガランダ、ガニコウモル、ヒルカメレオン、ショッカーライダーなどが使用可能です。ボスキャラクターとしてショッカー首領が登場しますが、プレイヤー操作は不可となっています。音声は原作のライブラリ音源を使用しており、ナレーションと首領の台詞のみ新録されています。
演出面では、仮面ライダースナックを模したタイトル画面や、戦闘後の爆破演出、ムービーカードによる映像再生など、昭和特撮へのリスペクトが随所に見られます。格闘ゲームとしての完成度には課題があるものの、原作再現度やファン向けの演出に重点を置いた構成であり、キャラゲーとしての価値が高い作品と位置づけられています。
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