『beatmania』(ビートマニア)は、コナミが開発・発売したリズムゲームで、1998年10月1日にPlayStation向けに日本でリリースされた家庭用第1作目です。アーケード版『ビートマニア 2ndMIX』を基に、家庭用ならではの要素を加えた作品で、音楽ゲームブームを牽引した「BEMANI」シリーズの原点として知られています。プレイヤーは専用コントローラーを使い、5つのキー(白鍵3つ、黒鍵2つ)とターンテーブルを操作して、画面に流れるノートをタイミングよく叩き、DJプレイの臨場感を楽しみます。この専用コントローラーが同梱され、ゲームの没入感を高めました。

本作は2枚のディスクで構成されています。DISC 1(ARCADE)はアーケード版の忠実な移植で、DISC 2(APPEND)は『beatmania APPEND YebisuMIX』として新曲を収録。この「Yebisu」の名は、コナミの当時の開発拠点「恵比寿ガーデンプレイス」に由来します。ARCADEディスクをキーとして使用し、APPENDディスクで新曲をプレイできるKEY DISCシステムは、後のBEMANIシリーズにも影響を与えました。ゲームモードは、ステージクリアを目指す「GAME START」、練習用の「TRAINING」、自由に曲を選べる「FREE」、高難度の「EXPERT」を用意。楽曲はテクノ、ヒップホップ、レゲエなど多彩で、「20, November」や「e-motion」といった名曲が今も愛されています。

『ビートマニア』は1997年にアーケードで初登場し、音楽ゲームの新たな可能性を示しました。PlayStation版はアーケードの人気を家庭に広め、専用コントローラーの直感的な操作が話題に。シリーズは「BEMANI」として拡大し、『Dance Dance Revolution』や『pop’n music』などの人気作を生み出し、音楽ゲーム市場の成長を牽引しました。日本ではゲームセンター文化と連動したグッズやイベントが人気を博し、ファンコミュニティを形成。欧州では2000年に『beatmania European Edit』が発売され、「Dreaming」や「Sing it Back」などの独自曲が追加されました。

難易度は初心者向けの「LIGHT」から上級者向けの「ANOTHER」まで段階的に設定され、幅広いプレイヤーに対応。専用コントローラーは約2秒で基本操作を習得できる直感性が魅力ですが、標準のPlayStationコントローラーでは操作性が劣るため、専用コントローラーの使用が推奨されます。家庭用ならではの手軽さで、いつでもプレイでき、友達とのスコア競争や対戦も楽しめるパーティーゲームとしての魅力もありました。『ビートマニア』は音楽ゲームの歴史に名を刻む作品として、今なお多くのファンに愛されています。