『エンドセクター』は、1998年9月23日にアスキーから発売されたプレイステーション用のカードRPGで、サウンドノベルとトレーディングカードゲームを融合させた独自の構造を持つ作品です。

本作は、開発元メルヘンブレーカーによって制作され、ジャンルは「カードRPG」とされていますが、実際にはサウンドノベル形式のストーリー進行と、カードバトルによる戦闘パートが交互に展開される構成です。プレイヤーは物語を読み進めながら、敵キャラクターとの戦闘をカードゲーム形式で行います。

カードバトルは、3×3マスのボードを用いた1対1の対戦形式で、攻撃・防御・装備・カード使用といったコマンドを選択し、リアルタイムで行動が実行される「ターンゲージ」システムが採用されています。カードの使用には魔力が必要で、時間経過とともに回復するため、戦略的なカード運用が求められます。

登場するカードは500種類以上に及び、100人以上のイラストレーターが制作した多彩なビジュアルが特徴です。各カードにはフレーバーテキストが添えられており、アニメ・漫画・ゲームのパロディ要素も多数含まれています。ストーリーや演出も独特で、プレイヤーの選択によってエンディングが分岐する構造を持っています。

また、カードバトルのみを楽しむ「フリーバトルモード」も搭載されており、ストーリーを進めずにデッキ構築と対戦に集中することも可能です。発売当時は知名度が低く「隠れすぎた名作」とも評されましたが、現在では一部のファンから根強い支持を受けています。