『本格将棋 将棋王』は、『紫炎龍』などの硬派なシューティングゲームで知られるメーカー・童(WARASHI)が送り出した、コストパフォーマンス抜群の将棋ソフト。1998年9月23日にPlayStationで発売されました。
本作の最大の衝撃は、発売当時1,980円(税別)という破格のプライス設定にありました。SIMPLEシリーズなどの廉価版レーベルが台頭し始めた時期とはいえ、完全新作の将棋ソフトとしては異例の安さでありながら、定跡研究ができる「戦法研究所」や、7手から13手詰めまでの難問を揃えた「詰将棋モード(全50問)」を搭載するなど、価格以上のボリュームを実現しています。
思考エンジンは5段階のレベル調整が可能で、初心者から中級者まで幅広く対応。さらに本作には、開発メーカーらしい独特の遊び心が隠されており、特定の条件を満たすと「動物の鳴き声で棋譜を読み上げる」モードや、なぜかレゲエ調のボーカル曲に乗せてスタッフロールが流れる「詰め将棋のうた」といった、将棋ソフトにあるまじきシュールな裏技が実装されています。安さの中に確かな機能と少しのユーモアを詰め込んだ、独自の存在感を放つ一本です。
童(WARASHI)は、1990年代後半から2000年代にかけて活動したゲームメーカーです。本作のようなテーブルゲームや麻雀ソフトを手掛ける一方で、アーケードからの移植作『紫炎龍』をはじめとする縦スクロールシューティングの開発でも高い評価を得ていました。硬派なSTGと安価な実用ソフトという二つの顔を持つ、PlayStation時代の名脇役メーカーの一つです。













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