『テーマホスピタル』は、1998年6月18日にエレクトロニック・アーツ・ビクターから発売されたPlayStation対応のシミュレーション(病院経営)ゲーム。『テーマパーク』を手掛けたブルフロッグ・プロダクションが開発し、病院の院長となって施設を設計し、奇妙な病気を患った患者たちを治療して利益を上げる、ブラックユーモア満載の経営シミュレーション作品となっています。

プレイヤーは何もない建物に受付や一般診断室、薬局、手術室などを配置し、医師、看護婦、事務員、用務員といったスタッフを雇用して病院を開業します。本作に登場する病気は、頭が風船のように膨らむ「パンク頭」や、体が透けてしまう「スケスケ病」、エルヴィス・プレスリーの真似をしてしまう「キング病」など、現実離れしたユニークなものばかりです。それぞれの病気に対応した治療機器を設置し、研究開発を進めて医療レベルを向上させることが求められます。

経営面では、患者の待ち時間を減らす効率的なレイアウト、暖房の温度管理、スタッフの給与交渉や休憩所の設置など、細かなマネジメントが必要です。廊下で嘔吐する患者や、死神に連れ去られる患者(治療失敗)の処理も重要で、衛生状態が悪化すれば伝染病が発生することもあります。

「患者サマは、金ヅルだ。」というキャッチコピーが示す通り、医療奉仕の精神よりも、いかに効率よく患者を回転させて儲けるかというシビアな経営視点が強調されています。毒のあるユーモアと、中毒性の高いゲームプレイが融合した一作です。

『テーマホスピタル』は、1997年にPC(DOS/Windows)向けに発売されたシミュレーションゲームを原作としています。『ポピュラス』や『テーマパーク』で知られるブルフロッグ・プロダクションが開発し、シリアスになりがちな「医療」というテーマを徹底的なブラックジョークで包み込むことで、世界的なヒットを記録しました。

テーマホスピタル