『大阪湾岸バトル』は、レースゲームといえば首都高ばかりが注目されていた時代に、あえて「なにわ」の公道を舞台に選んだ、コテコテの関西系レーシングゲーム。1998年3月26日にメディアクエストからPlayStationで発売されました。開発は『GT CUBE』や『なかよしペット』シリーズなどで知られるエム・ティー・オーが担当しています。
本作の最大の特徴は、タイトル画面からエンディングに至るまで貫かれた「濃すぎる関西色」にあります。ゲーム内のナレーションやライバルたちのセリフはすべて関西弁で展開され、「どや、わいの走りは!」「いてまえ!」といった威勢のいい言葉が飛び交います。コースも阪神高速1号環状線や湾岸線、さらには道頓堀や御堂筋といった大阪の名所を再現しており、看板や街並みのディテールにもこだわりが感じられます。
一見するとイロモノのようですが、走行システムは意外にも本格派。大阪の実力派チューニングショップ「オートセレクト」や、有名ドライバー「ターザン山田」こと山田英二氏が監修を務めており、車の挙動やチューニング項目はマニアも納得の作り込みです。登場車種もスポーツカーだけでなく、VIPカー(高級セダン)やトラック、タクシーといった変わり種まで全22車種以上を収録。一般車が走る高速道路を縫うように走り、大阪最速の称号「なにわの帝王」を目指す、熱く泥臭いバトルが楽しめます。
【モデル:阪神高速環状族と漫画『ナニワトモアレ』】
本作が描く1990年代の大阪の走り屋文化は、南勝久氏の人気漫画『ナニワトモアレ』の世界観と強くリンクします。環状線を改造シビック等で周回する独特のスタイルや、関西特有のアンダーグラウンドな熱気は、当時の車好きたちを魅了しました。本作はそんな時代の空気をパッケージした貴重なデジタル遺産と言えます。













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