『英雄伝説III 白き魔女 -もうひとつの英雄たちの物語-』は、大地の裂け目「ガガーブ」によって閉ざされた世界ティラスイールを舞台に、巡礼の旅に出た少年少女の成長と世界の謎を描くファンタジーRPG。1998年3月19日に亜土電子工業からPlayStationで発売されました。
本作は、日本ファルコムがPC-98向けにリリースした名作『英雄伝説III 白き魔女』のPlayStation移植版です。プレイヤーは、村の成人儀式として旅に出た気弱な少年ジュリオと、元気な幼馴染の少女クリスを操作し、世界各地に点在する5つの「シャリネ(祠)」を巡ります。その道中で、かつて不吉の象徴とされた「白き魔女」にまつわる伝承と、世界に忍び寄る滅びの予兆に直面することになります。開発はGMFが担当しており、キャラクターデザインやマップグラフィックはPC-98版(リニューアル版)の雰囲気を色濃く残した2Dドット絵ベースで構築されています。
PlayStation版独自の特徴として、原作ではAIによるオート進行だった戦闘システムが、プレイヤー自身が指示を出せる「コマンド選択式」に変更されています。これにより、回復のタイミングや攻撃対象を任意にコントロールできるようになり、戦略性が増しています。また、オープニングムービーや主要イベントの一部には音声が追加されており、ジュリオ役の岩永哲哉さん、クリス役の野上ゆかな(現・ゆかな)さんをはじめとする声優陣がキャラクターに新たな息吹を吹き込んでいます。同時期に発売されたセガサターン版(ハドソン製)が大幅なアレンジを加えたリメイクだったのに対し、本作は原作のテイストを尊重しつつ家庭用向けに調整を図った移植作という位置づけになります。
本作の原作は、日本ファルコムの「ガガーブトリロジー」第1作目にあたり、その詩的で完成度の高いシナリオはRPGファンから極めて高い評価を受けています。ゲーム内では語られなかったエピソードや、キャラクターたちの心情をより深く知るためには、関連する小説版などが優れた補完資料となります。また、ジュリオとクリスの旅路を追体験するには、詳細な世界設定が記された資料集も有用です。













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