『プリズナー・オブ・アイス』(Prisoner of Ice)は、1995年にInfogramesがPC(MS-DOS/Windows/Mac)向けに開発・発売したポイント&クリック型のアドベンチャーゲームである。日本では、1997年にプレイステーションおよびセガサターン向けに『プリズナー・オブ・アイス ~邪神降臨~』のタイトルで移植され、エクシング・エンタテイメントから発売された。

物語は1937年、イギリス軍による「ポラリス作戦」を背景に展開される。南極大陸で発見された氷漬けの怪物「プリズナー・オブ・アイス」を巡り、ナチス・ドイツが兵器利用を企てる中、アメリカ軍諜報部のライアン大尉が潜水艦ヴィクトリア号に乗り込み、南極基地での調査と戦闘に挑む。クトゥルフ神話の小説『狂気の山脈にて』をベースにした世界観が特徴で、ラヴクラフト作品の恐怖と陰謀が色濃く反映されている。

ゲームは全6章構成で、画面上のオブジェクトをクリックして調査・操作を行う形式を採用。対象にカーソルを合わせると画面下部に説明が表示されるなど、同系統の『ダークシード』に近い操作感がある。選択によっては即座にゲームオーバーとなる場面もあり、緊張感のある進行が求められる。

本作は、Infogramesが1993年に開発した『Shadow of the Comet』と世界観を共有しており、クトゥルフ神話を題材としたアドベンチャーシリーズの一部として位置づけられる。日本語版ではタイトルに「邪神降臨」が追加され、ホラー色を強調した演出が施されている。