『サイドバイサイドスペシャル』は、1997年12月4日にタイトーがPlayStation向けに発売したレースゲーム。ジャンルは「レース」で、アーケード版『サイドバイサイド』および『サイドバイサイド2』を収録したカップリング移植作品です。プレイヤーは実在する国産スポーツカーを操作し、日本の公道をモチーフにしたコースでタイムアタックや対戦を行います。

本作では、AE86トレノやRX-7、シルビア、シビックなどの実名車両が登場。マニュアル/オートマの選択や、車種ごとの挙動の違いが再現されており、当時としてはリアル志向のレースゲームとして注目されました。最大4人までの通信対戦にも対応しており、アーケード版の対戦感覚を家庭用でも再現しています。

コースは「春」「夏」「秋」「冬」「極(弩級)」の5種類で、季節や地形に応じた路面状況や演出が用意されています。例えば「冬」では雪道によるスリップ、「秋」では落ち葉による滑りやすさなど、走行感覚に変化をもたらす構成です。制限時間内にチェックポイントを通過することでタイムが延長される仕組みで、アーケードライクな緊張感が維持されています。

1999年には廉価版『サイドバイサイドスペシャル2000』が発売。振動機能への対応やCPU挙動の調整などが加えられ、難易度設定によるプレイ感の変化も導入されました。シリーズは後に『バトルギア』へと発展し、国産車によるリアル系レースゲームの礎を築いた作品群として知られています。

原作は1996年にタイトーがアーケード向けに稼働した『サイドバイサイド』および1997年の『サイドバイサイド2』。いずれも実在車両を用いた公道系レースゲームであり、後の『バトルギア』シリーズの前身として位置づけられています。『スペシャル』はその家庭用移植版で、2作をまとめて収録したパッケージです。