『ザ・マスターズ・ファイター』は、3人1組のチームを編成して戦う、2D対戦格闘ゲーム。1997年11月20日にシネマサプライからPlayStationで発売されました。
本作は、90年代に隆盛を極めた対戦格闘ゲームブーム、特にSNK作品(『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズなど)の影響を色濃く受けたオリジナルタイトルです。プレイヤーは個性豊かなキャラクターの中から3名を選抜し、勝ち抜き形式のチームバトルに挑みます。グラフィックはプリレンダリングされたCGを2Dドット絵に落とし込んだスタイルを採用しており、独特の艶かしさと重量感を持っています。
本作を語る上で欠かせないのが、その独特なゲームバランスと操作性です。技の判定や挙動に不可解な部分が多く、CPUの反応も超反応かと思えば棒立ちになるなど極端で、格闘ゲームとしての完成度は決して高いとは言えません。しかし、その粗削りな作りがかえって一部の愛好家の間で話題となり、「愛すべきバカゲー」「クソゲー」として認知されています。一方で、声優陣は子安武人さん、置鮎龍太郎さん、氷上恭子さん、根谷美智子さんといった当時の超人気キャストが起用されており、キャラクターボイスの演技力だけは一級品というギャップも本作の奇妙な魅力を形成しています。必殺技コマンドの入力受付がシビアである一方、決まった時の爽快感や、独特のSE(打撃音)など、記憶に残る要素が多い作品です。
本作の発売元であるシネマサプライは、本来は映像ソフトの配給などを手掛ける企業でしたが、PlayStation参入時には本作のようなゲームソフトもリリースしていました。本作は「クソゲー」として紹介されることが多いものの、90年代格闘ゲームブームの過熱ぶりと、有象無象のタイトルが乱立した当時の混沌とした市場環境を象徴する資料的価値を持っています。当時の格闘ゲームシーン全体の熱気を振り返るには、以下のムック本などが最適です。













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