『スタースィープ』は、地面から湧き上がるブロックの隙間に、星のかけらを埋め込んで消していく、思考と直感が交錯するアクションパズルゲーム。1997年10月30日にアクセラからPlayStationで発売され、ナムコからリリースされたアーケード版と共に、そのポップなビジュアルと独特な操作感でパズルゲーマーを魅了しました。その後、1997年12月19日にはスターフィッシュからゲームボーイ版も発売されています。

本作のルールは、一般的な「落ち物パズル」とは一線を画しています。フィールドの下からは不規則な形のブロックがせり上がってきますが、プレイヤーが操作するのは上空にある「ストックエリア」のブロックです。このブロックを回転させ、フィールド上のブロックの凹凸に合わせて「投げ込む(はめ込む)」ことで隙間を埋めていきます。ブロックには「星(スター)」の半分が描かれており、同じ色の星同士がくっつくように配置することでブロックが消滅します。

単に隙間を埋めるだけでなく、「赤・青・黄」の3色ある星の色と向きを瞬時に判断し、回転させてねじ込む操作が求められます。ブロックが消えている最中にも次のブロックを操作できるため、連鎖的に星を揃えていく「アクティブ連鎖」が決まれば、対戦相手に大量の「お邪魔雲」を送り込むことができます。パステルカラーで描かれた可愛らしいキャラクターたちや、軽快なBGMも相まって、プレイ中は独特の浮遊感と中毒性に包まれます。

一見すると複雑そうに見えますが、カチッとはまる感覚はジグソーパズルにも似た快感があります。ストーリーモードでは、個性豊かなキャラクターたちがそれぞれの願いを叶えるために戦うドタバタ劇が展開され、対戦モードでは一瞬の判断ミスが命取りになる熱い攻防が楽しめます。開発元のアクセラは既に存在しませんが、知る人ぞ知る名作パズルとして、今なお根強いファンを持つ一本です。

『スタースィープ』は特定の原作を持たないオリジナル作品です。開発元のアクセラは、かつて『ギルティギア』の初期シリーズに関わったり、独自の雑誌を展開したりと、90年代後半のゲーム業界で異彩を放っていたメーカーでした。本作のような良質なパズルゲームが埋もれているのも、この時代の豊かさを象徴しています。

スタースィープ