『イバラード 〜ラピュタの孵る街〜』は、画家・井上直久氏が描く幻想的な絵画世界「イバラード」を3D空間で再現し、その中を冒険するファンタジーアドベンチャーゲーム。1997年10月16日にテレビ朝日(システムサコム制作)からPlayStationで発売されました。
本作は、スタジオジブリの映画『耳をすませば』の劇中劇「バロンのくれた物語」の背景美術としても知られる、井上直久氏の架空世界シリーズ「イバラード(Iblard)」を原作としています。プレイヤーは、不思議な本に導かれてこの世界に迷い込んだ少年となり、現実世界へ帰るために必要な「ラピュタの抜け殻」を求めて旅立ちます。イバラードの世界では「ラピュタ」は浮島や小惑星のような存在であり、時期が来ると孵化して抜け殻を残すという生態を持っています。プレイヤーは魔法使いのニーニャや、二足歩行のモグラのようなスコッペロといった住人たちの助けを借りながら、ラピュタを孵化させるための4つの鉱石を集めます。
ゲームシステムは一人称視点の3Dアクションアドベンチャーとなっており、美しい街並みや浮島を自由に歩き回ることができます。フィールド上には「めげゾウ」と呼ばれる敵対生物が存在し、ホウキやブーメランといったアイテムを駆使して対処する必要があります。また、井上氏の絵画の特徴である、雲や建物が有機的に融合した独特のタッチをテクスチャとして貼り付けることで、絵画の中に入り込んだような没入感を表現しています。主人公役に森久保祥太郎さん、ニーニャ役に林原めぐみさんといった豪華声優陣が起用されており、視覚だけでなく聴覚からもイバラードの不思議な世界観を構築しています。
本作の原作である井上直久氏は、大阪府茨木市をモデルにした架空の国「イバラード」を舞台にした絵画や漫画を描き続けているアーティストです。その独特な色彩と世界観は宮崎駿監督にも愛され、『耳をすませば』の背景美術や、三鷹の森ジブリ美術館の短編映画『星をかった日』の原作者としても知られています。ゲームで体験できる不思議な浮遊感やノスタルジーに惹かれた方には、その源泉である井上氏の画集や絵本が、より深く世界に浸るための鍵となります。













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