『美少女花札紀行 みちのく秘湯恋物語』およびその関連作品は、東北地方の温泉地を巡りながら、旅先で出会うヒロインたちと花札で勝負する恋愛アドベンチャーゲーム。第1作が1997年8月7日にPlayStationで、セガサターン版『Special』が同年12月11日に、リニューアル版の『Kai』が1999年12月22日に、いずれもフォグから発売されました。

本作は、『久遠の絆』や『風雨来記』で知られるメーカー「フォグ(FOG)」のデビュー作です。プレイヤーは写真家志望の大学生となり、家業の花札屋を継ぐ条件を回避するため、コンテスト用の写真を求めて東北への撮影旅行に出かけます。最大の特徴は、背景グラフィックに現地取材で撮影された実写写真を使用している点です。平泉の中尊寺、角館の武家屋敷、十和田湖といった観光名所や、実在する温泉宿がリアルな映像で表示され、そこにアニメ調の美少女キャラクターが登場するという独特の画面構成が採用されています。

機種ごとに仕様が異なり、最初に発売されたPlayStation版はフォグの処女作としてリリースされました。続くセガサターン版『Special』では、入浴シーンなどのグラフィックが追加・修正され、年齢推奨マーク(18歳以上推奨)が付くなど、より大胆なビジュアル表現が盛り込まれています。後に発売されたPS版『Kai』は、オリジナル版の内容をベースに、イベントビジュアルの追加やアルバム機能の改良を施し、タイトルから「美少女花札紀行」の冠を外して手に取りやすくしたリニューアル版(兼廉価版)となっています。単なるギャルゲーに留まらず、ご当地グルメや観光スポットの丁寧な解説テキストが収録されており、後のフォグ作品に通じる「旅ゲー」の原点としての側面を強く持っています。

本作を開発したフォグ(FOG)は、本作のヒットによって開発資金を得て、続く名作『久遠の絆』を制作したという経緯があります。また、本作で確立された「実写背景+バイク旅」というスタイルは、後に『風雨来記』シリーズへと継承され、より洗練されたシステムへと進化しました。花札のルールを覚えつつ、日本の美しい風景を巡る旅情を楽しみたい方には、同メーカーの精神的続編ともいえる以下の作品がおすすめです。

風雨来記(フォグが贈る旅アドベンチャーの金字塔)

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