『マイホーム ドリーム』は、誰でも手軽に理想の一戸建てを設計し、完成した家を3D空間で自由に歩き回ることができる本格的な住宅設計シミュレーション。1997年7月24日にマーベラスエンターテイメントからプレイステーションで発売され、ゲーム機で使える実用的な設計ツールとして、後にシリーズ化されるほどの人気を博しました。

本作のメインとなるのは、プレイヤー自身の理想を形にする「マイホームを建てよう」モードと、新人建築家として依頼人の要望に応える「建築士になろう」モードの2つです。設計プロセスは非常に本格的で、敷地の設定から始まり、部屋の配置(間取り)、ドアや窓の取り付け、そして屋根の形状選択へと進みます。内装においても、壁紙やフローリングの材質を選べるほか、システムキッチン、バスタブ、照明器具、観葉植物といった多彩な家具・設備をカタログから選んで配置することが可能で、インテリアコーディネーターのような気分も味わえます。

特筆すべきは、作成した図面を瞬時に立体化する「3Dウォークスルー」機能です。プレイヤー視点でドアを開けて部屋に入ったり、キッチンの高さを確認したりと、図面だけでは掴みにくい空間の広がりや生活動線をリアルに体感できます。「建築士になろう」モードでは、「二世帯住宅にしてほしい」「予算内で子供部屋を作って」といったパズル的な制約の中で設計を行うため、単なるお絵描きソフトにとどまらないゲームとしての攻略要素もしっかりと盛り込まれています。

『マイホーム ドリーム』は、現実の「住宅建築」や「マイホーム計画」そのものを題材にしています。特定の原作はありませんが、建築CAD(設計支援ソフト)を一般ユーザー向けにエンターテインメント化した作品であり、後の『どうぶつの森』のハッピーホームデザイナー等にも通じる「部屋作り」の楽しさを提供しています。

マイホーム ドリーム(ゲーム)