『雷弩機兵ガイブレイブ』は、無骨な鉄塊に過剰なまでの重火器を積み込み、硝煙と爆炎の中で敵軍を蹂躙する、男のロマンを凝縮したロボットアクション・シューティング。第1作は1997年7月17日にアクセラからPlayStationで発売され、翌1998年10月29年にはゲームジャンルを大胆に変更した続編『雷弩機兵ガイブレイブII』がリリースされました。

シリーズの主役となるのは、人型作業機械から発展した戦闘兵器「雷弩機兵(ライドギア)」です。プレイヤーはコロッサス島の自警団員としてライドギアに搭乗し、地球侵攻を目論む火星軍との戦いに身を投じます。本シリーズ最大の特徴は、ロボットアニメへの愛に溢れた演出と、極めて自由度の高いカスタマイズ要素にあります。機体の腕部や肩部には、バルカン、ミサイル、ドリル、ハンマーといった多種多様な兵装を装備可能で、限られた積載量の中でいかに火力を最大化するかという「構築の楽しみ」が提供されています。

第1作目『雷弩機兵ガイブレイブ』は、奥行きのあるフィールドを前後左右に移動しながら戦う、ベルトスクロールアクションに近いシステムを採用しています。重量感のある挙動と、敵をなぎ倒す爽快感が特徴で、2人同時プレイによる協力戦闘も可能です。一方、続編の『雷弩機兵ガイブレイブII』ではシステムを一新し、画面奥に向かって強制スクロールで進む「3Dシューティング」へと変貌を遂げました。このジャンル変更には賛否がありましたが、敵の撃破によって装備品を獲得するハック&スラッシュ的な中毒性や、画面を覆い尽くすほどの弾幕を浴びせるインフレ気味の火力戦は、多くのメカ好きを熱狂させました。

物語は、能天気で熱血漢な主人公たちと、どこか憎めない敵役「ダハー大佐」などが織りなす、90年代のロボットアニメを彷彿とさせる王道の活劇です。シリアスな戦記物というよりは、爆発と破壊を楽しむエンターテインメント性が重視されており、複雑な操作を覚えるよりも「撃ちまくる快感」に浸れるシリーズとして、プレイステーションの隠れた名作として語り継がれています。

『雷弩機兵ガイブレイブ』は特定の原作を持たないオリジナル作品ですが、『装甲騎兵ボトムズ』のような無骨な量産機メカの魅力や、ドリルやパイルバンカーといった「ロマン武器」へのこだわりが随所に詰まっています。自分だけの最強機体を作り上げる喜びは、プラモデルの改造や『アーマード・コア』などのメカカスタマイズゲームに通じる楽しさがあります。

雷弩機兵ガイブレイブ