『セイバーマリオネットJ BATTLE SABERS』は、人気アニメ『セイバーマリオネットJ』の世界観を格闘ゲームとして再構築したキャラクターゲームです。原作ファンを中心に注目を集め、アニメの声優陣をそのまま起用した演出が話題となりました。

プレイヤーは、ライム、チェリー、ブラッドベリーなどお馴染みの乙女型マリオネットたちを操作し、3D空間での対戦格闘を繰り広げます。各キャラには固有の必殺技が用意されており、方向キー入力のほか、Rボタンひとつで発動できる簡易操作も搭載。初心者でも直感的に技を繰り出せる設計が特徴です。さらに、戦闘前に選択する「パーツ」によって性能が変化し、戦略性を高めています。

戦闘中は、ダメージに応じて「乙女回路ゲージ」が蓄積され、満タンになると一定時間能力が強化されるほか、各キャラ固有の超必殺技が使用可能になります。隠しキャラとして「梅幸」「玉三郎」も登場し、原作にはない組み合わせでの対戦が楽しめます。ステージ背景やキャラのポリゴン表現には粗さが残るものの、ロボット設定を活かした演出で違和感を抑えています。

原作アニメとの連動性も高く、ゲーム内にはオープニング映像のアレンジ版が収録され、オリジナルキャラ「アップル」の登場によって新たな物語の可能性が示唆されます。声優の演技もそのまま再現されており、ファンにとっては原作の延長線上として楽しめる内容です。

PlayStation専用タイトルとして、当時の3D格闘ゲームの流れを汲みつつ、キャラクター性を前面に押し出した構成が印象的です。操作性やバランス面に課題はあるものの、原作の魅力を活かした演出と、乙女型マリオネットたちの個性が光る一作として記憶に残ります。

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