『皇龍三國演義』は、三国志の世界を舞台にした戦略シミュレーションゲームで、複雑な官職制度とリアルタイム進行が特徴の硬派な一本です。PC-98版『龍王三國志』をベースに、家庭用向けに再構築された移植作であり、プレイヤーは君主として中国全土の統一を目指します。

ゲームでは、武将を官職に任命し、内政や軍事を間接的に指示する「官職システム」が中心となります。丞相や太守などの役職によって部下の能力が変化し、諸葛亮や司馬懿をどう使うかが戦局を左右します。特に曹操が丞相に司馬懿を据えた場合の強さは圧倒的で、プレイヤーの間では“ラスボス曹操”と呼ばれるほどの難敵として語られました。また、ポリゴン立体マップによる「中国全土図」や、武将が君主に直接進言する「直訴」機能など、独自の演出も盛り込まれています。

セガサターン版とPlayStation版が存在し、SS版は1996年12月6日、PS版は1996年11月29日に発売されました。両機種とも内容はほぼ同一ですが、操作性やロード時間に若干の差があり、PS版はレスポンスの軽快さで評価される一方、SS版は描画の安定性に定評があります。