『ザ・タワー ボーナスエディション』は、住人の移動効率やストレスを管理しながら巨大な高層ビルを建設・経営するシミュレーションゲーム。1996年11月1日にオープンブック9003からPlayStationで発売されました。
本作は、パソコンや3DO、セガサターンで発売されヒットを記録した『The Tower』のPlayStation移植版であり、後発ならではの多数の追加要素を収録したバージョンです。プレイヤーはビルのオーナーとなり、オフィス、ホテル、コンドミニアム(マンション)、レストランなどのテナントを配置し、エレベーターやエスカレーターでそれらを繋いで人口を増やしていきます。単に積み上げるだけでなく、エレベーターの待ち時間による住人のストレスや、テナントごとの騒音問題、害虫の発生などを細かく管理する必要があり、パズル的な思考と長期的展望の両方が求められます。
「ボーナスエディション」と銘打たれた本作独自の要素として、ビル内に設置した「タワービジョン」で実在企業のCM(ピザーラやセコムなど)を閲覧できる機能や、映画館でショートムービーを鑑賞できる機能が追加されています。さらに、特定の条件を満たして警備室(セコムルーム)を調べると、3Dポリゴンで再現されたビル内部を一人称視点で探索できる「夜間パトロールモード」が搭載されており、自分が作り上げたビルの中を歩き回るという没入感ある体験が可能です。マップも標準的なものに加え、リゾート地や商業特化型など特性の異なる全5種類が用意されています。
本作のクリエイターである斎藤由多加氏は、『シーマン』や『大玉』などの独創的なゲームデザインで知られる人物です。彼がエレベーターの挙動から着想を得て開発した『ザ・タワー』は、海外では『SimTower』としてマクシス社から販売され、世界的な評価を受けました。単なる建設ゲームではなく、人間の行動心理や動線設計に重きを置いた本作の思想は、建築や都市計画に関心のある層にも広く支持されています。













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