『リターン・トゥ・ゾーク』は、米国Infocomの名作テキストアドベンチャー『Zork』シリーズを原点とし、実写映像とクリック操作を融合させたフルモーション・アドベンチャーゲームです。PC版からの移植でありながら、日本語化と独自のUI調整が施され、国内ユーザーにも親しみやすい形で登場しました。

プレイヤーは、謎の土地「ゾーク」の奥深くに足を踏み入れ、失われた文明と危険な罠が待ち受ける世界を探索します。ゲームは一人称視点で進行し、実写映像による登場人物との会話や、静止画ベースのフィールド探索を通じて物語が展開されます。選択肢やアイテム使用によって分岐するイベントが多く、ヒントがほとんど提示されないため、試行錯誤と観察力が求められます。

特に印象的なのは、予告なしに訪れるゲームオーバーの演出です。ある行動が突然死に繋がることもあり、プレイヤーは慎重な判断と記録を重ねながら進める必要があります。登場人物の演技は米国版そのままで、独特の雰囲気を醸し出しており、幻想的で不気味な世界観を支えています。謎解きの難易度は高めですが、達成感もひとしおです。

PlayStation版では、セーブ機能や操作性が調整されており、PC版に比べて快適なプレイが可能です。ただし、映像の圧縮による画質低下やロード時間の長さなど、当時のハード性能による制約も見られます。それでも、実写映像を活用したアドベンチャーゲームの先駆けとして、記憶に残る一作です。

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