『ウイングコマンダーIII』は、1996年にPlayStation版が発売されたドラマチック・フライトシューティングゲーム。人類と猫型異星人「キルラシ」との長きにわたる星間戦争の最終局面を描いた、実写ムービーと本格的なドッグファイトが融合した超大作スペースオペラ作品となっています。

本作の最大の特徴は、当時としては破格の製作費を投じて撮影された実写ムービーパートです。主人公のクリストファー・ブレア大佐を演じるのは、『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミル。さらに『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルや、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のトーマス・F・ウィルソンといったハリウッドスターが出演しており、映画さながらの重厚な人間ドラマが展開されます。

ゲームプレイは、宇宙戦闘機に搭乗して敵艦隊と戦うフライトシムパートと、艦内を移動して仲間と会話するアドベンチャーパートで構成されています。会話中の選択肢やミッションの成否によってストーリーが分岐し、エンディングが変化するマルチエンディングシステムを採用しています。また、3DOやPSといったCD-ROMの大容量を活かし、コックピット視点での臨場感あふれる宇宙戦を楽しむことができます。

「遊ぶ映画」という言葉が現実のものとなった時代を象徴する一本。銀河の命運を背負ったエースパイロットとして、豪華キャストと共に歴史の証人となる体験がここにあります。

『ウイングコマンダーIII』は、クリス・ロバーツ率いるOrigin Systemsが開発したPCゲーム『Wing Commander』シリーズの第3作目です。シリーズは「宇宙版 第二次世界大戦」とも言える硬派な世界観とドッグファイトで人気を博していましたが、本作で実写取り込み(フルモーションビデオ)を導入し、インタラクティブムービーの金字塔としてゲーム史に名を残しました。後にアニメ化や実写映画化も行われています。

Wing Commander