『スタジオP』は、1996年にPlayStation向けに発売された多機能クリエイティブツールソフトです。本作は、音楽制作・3Dモデリング・ペイント・陶芸など、複数の創作機能を統合したユーティリティ型タイトルであり、ゲームというよりも「仮想スタジオ」としての側面が強い構成となっています。開発はアジェンダが担当し、当時のPlayStationの性能を活かした音楽シーケンサーやグラフィックツールが搭載されています。

音楽制作機能では、最大10トラック(メロディ9+リズム1)による本格的なシーケンス編集が可能で、音符単位でパン・ゲート・ベロシティ・ピッチなどの詳細設定が行えます。音色は140種×6バンクが用意され、リアルタイム試聴時の遅延が発生しない設計が特徴です。また、ネジコンを使用したピッチベンドやリバーブ調整など、当時のDTM環境に匹敵する性能を備えています。さらに、作成した楽曲はパズルゲームのBGMとして使用することも可能です。

その他の機能としては、陶芸シミュレーションによる壺作成、雑巾絞りミニゲーム、ポリゴンキャラクターの造形、イラスト作成などが含まれており、作成した素材を組み合わせて独自のゲームを構築することも可能です。インターフェースはグリッド譜面や3Dビューを活用した直感的な構成となっており、ツール系ソフトとしては異例の自由度と遊び心を備えたタイトルです。